Classici giapponesi con furigana
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あらほうし
荒法師
山本 周五郎
Leggi 荒法師 (あらほうし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.734 caratteri · 36 schermate
花世の若わかしい呼吸を聞きながら、俊恵は危ういところを救われたあの夜のことを想い、また今日までの娘の辛労を思った、かれが経蔵にいたことは明真から聞いたそうである、けれどもその明真さえ忘れたほどの騒動のなかで、あの猛火を冒して救いに来るということは、若い娘にとってそうたやすいわざではない、重傷で倒れている者をはじめて助けたのも花世だった、みつかればどんな罪に問われるかも知れないのに、少しもためらわず助けて来て介抱した、どちらも些々たる憐愍や同情でできることではない、それは仏の慈悲にもたとうべきである、俊恵はそう思った、……いや仏の慈悲でもこれほど直接にあらわれることはないだろう、哲学は事実を拒否することに高さをみる、仏法理論は慈悲について高遠な説をたてるが、目前の事実に対しては権力に屈するだけだ、高遠な理論をいかに巧みに積上げても、事実に対して無力なら遊戯と選ぶところはないのである、花世のしたことは仏の慈悲より大きく深い、しかもなんと深く大きいことだろう。俊恵はふと娘のほうへ感動の籠った声で呼びかけた、「……花世、おまえには頭がさがるぞ」