Classici giapponesi con furigana
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きくちよしょう
菊千代抄
山本 周五郎
Leggi 菊千代抄 (きくちよしょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.178 caratteri · 72 schermate
相手はいつも半三郎を選んだ、庄吾満之助や「かんぷり」などとも取ったが、誰よりも半三郎がいちばん取りよかった。
半三郎は年も二つ上だったし、ほかの者とは違うこころづかいがあって、やんわりあしらって呉れる。菊千代にはそれがもどかしいような、また歯痒いような感じで、わざと乱暴にむしゃぶりつくのであった。それでも半三郎のあしらいぶりは巧みで、ごくしぜんに負けてみせたりするが、ときに誤ってしたたか投げとばしたり、胴躰に折重なって倒れることなどがあった。……菊千代にはそれが云いようもなく快かった。投げられたときや折重なって倒れる刹那には、爽やかな、しかもうっとりするような一種の解放感に満たされる。その感じは忘れることのできないものだったし、半三郎のほかには誰からも受けることができなかった。
こんなふうに遊んでいるとき、武家そだちといっても幼い年ごろのことで、急に小用をもよおしたときなど、子供たちは木蔭などへいってよく用を足した。菊千代もそれをまねようとしたが、自分は袴をはいたままではできない、かれらはどうやってするのかと、ふしぎにも思い興味も唆られて、幾たびもその方法を覗いて見ようとした。