Classici giapponesi con furigana
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きくづきよ
菊月夜
山本 周五郎
Leggi 菊月夜 (きくづきよ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.129 caratteri · 32 schermate
「……してその打開策はあるのですか」
「そこもとが疋田家へ入る、今のところこれが唯一の策だ」
「……仰せの意味がよくわかりません」
「新しい人間が必要なのだ」孫太夫は、力をこめていった、「……高力一統の勢力は、十年ちかい年代を経て、その根は深くかつ広い、現在重臣の席にある者はみな、大なり小なりその勢力の影響をうけている、これでは断乎たる手段をとることはできないのだ、彼らの影響をうけたことのない人間、まったく新しい人間が起って斧をとらなければならぬ、しかも高力どのの犀利明敏を凌ぐだけの資質が必要だ、これは申すまでもないだろう」
「…………」信三郎は、じっと相手の眼をみまもった。孫太夫もその眼を見かえしながら、突込んでくるような調子で云った。
「……そこもとの名が出たのは去年の秋だった、佐垣信三郎という名は、すべての者に双手をあげさせたのだ、問題は身分上の資格だ、それには疋田どのが迎えようと申し出た、あとはそこもとの覚悟ひとつでことがきまる、……仔細というのはこれだけだが、そこもとの意見はどうか」
藩政改革がさし迫った課題であることも知っている、その癌が高力一統の勢力であることも間違いはない、少壮気鋭の者のなかには、――忠左斬るべし、という激論さえあるくらいだ、したがって孫太夫の説くところに疑問はないが、はたして衆望