Classici giapponesi con furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Leggi 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.114 caratteri · 92 schermate
もはや谷山女史のことなど忘れている。が、やがて奥の間からきこえてきたピアノの音と、女の歌声はきいている。うたっているのはマダムにちがいない。そのうち、一人、二人、楽譜をかかえた若い女性がやって来ては奥へ通ってゆく。
南原杉子が、かきものを終えて、万年筆を机上にころばせた時、「おお」と声がした。
「何だ、やっぱりあなただったの(実は気付いていたのだ)」
「さっき、わからなかった。髪の型がちがうとまるで違うのですね。相変らずいそがしいですか」
南原杉子の傍の椅子へかけた男は、せわしく煙草に火をつけた。煙草を吸いに奥から出て来たようである。南原杉子も煙草をとりだした。
「ポルタメントつけすぎね。ここのママさんは趣味でうたをならってらっしゃんの」
「まあ趣味かな。でも関西じゃちょっと有名ですよ」
「谷山さんも落ちたみたいね」
南原杉子は何気なく笑った。
「だけどいい声だ」
「だれ、ああママさん? 声のいいのは天稟ね。モーツァルトかジプシーソングか」
男は黙っている。
「門外漢だから云えるのね」
男は更に黙っている。
「御趣味拝聴って時間つくればいかが? スポンサーはアルバイト周旋屋」