Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate

Aozora Bunko

一年ばかりして、私は映画の中に弟によく似た少年がいるのを見た。家に帰ってから、そのことを母に告げると、そのとき母は台所で用をしていたが、堪えかねたように大声を上げた。

物心がついた頃には私は、祖父母達は、兄を、……母と自分、というような気持をもう抱いていた。父は盲目であった。そして祖父と私達兄弟とは血の繋りはなかった。

私の気持はいちばん母にくっついていた。母は私をきつく叱った。私は母によく撲たれた。折檻された。兄はそんなに叱られなかった。私はときに泣きながら母に、母が兄のことは叱らないで、自分ばかりを叱ることへの不服を訴えたりした。自分ばかりが叱られることへの不服の心も確かにあった。けれども、そう口に出す気持の感傷的なものであることは自身感じられたのだ。母が自分をきつく思ってくれていることは、私は本能的に感じていたのだから。

その後、記憶に残ってときに頭を掠めることに……。やはりなにかで叱られたか、若しくは自分の願いが退けられたかして、私は愚図ついていた。母は台所でなにか用をしていた。私は茶の間にいた。ほかに誰もいなかった。私がおさまらぬ気持で愚図ついているのを、母は相手にせず用をしていた。