Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate

Aozora Bunko

どんな小さな草の芽でも、花の咲く時のないものはない、どんな人でも自分に持って生れたもののない人はない、とか。これはエーレンシュレーゲルの言葉で、また私の忘れることの出来ない言葉なのです。私が恵みのパンを人から受けて来なければならなかった憐れな少年ならば、私はそのことをこそ書くべきなのですね。私の生い立ち、私のものの数でない浮沈、その中にこそ私の花は在るのですね。徒手空拳とも云い、また孤立無援とも云います。若しも私が健気な少年であったならば、私はいまもっと誇りに満ちた心を示すことも出来得たでしょう。私は私のような境遇のものとしては、例のないほど心弱い者です。私はいまだに誰かに支えられていなければやってゆけない者です。些細なことに一喜一憂する日々を送っています。その癖私は自分に対し強い執着を持っています。他人の幸福にも増して自分の劣等の生を恃んでいます。私が敗けていないのは、周囲を顧慮せず、自分のことばかり考えて来たからです。私にはしおらしさというものはこれっぽちもないかも知れません。けれどもこうした考え方は、これまで私に注がれた好意に対して相応しくないでしょう。