Classici giapponesi con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
私の神経もいい加減傷めつけられていた。私はそんな発作的な思いを行為に移したいような衝動さえ感じた。と、襖の外から「清さん、ごめんなさい。」と云うイエの声がした。私は咄嗟に渋面をつくった。
「兄さんと喧嘩なんかしちゃ、駄目じゃないの?」
「兄さんじゃないよ。婆ばあだよ。」
「まあ。お祖母さんはもうお年寄なんですから、我慢しなさい。」
「いやだ。僕は我慢するってのはいやなんだ。」
「それは清さん、大人気ないってものよ。」
「どうせ僕は子供だよ。僕はうんとわがままがしたいんだ。僕はちっともわがままなんかしていないんだよ。自分の家にいてびくびくしているんだ。」
「お祖母さんも、清さんのことを心配なすっていますよ。」
「嘘だよ。」私はそんなことを云うイエが疎ましい気がした。「人前だけそんな振りをして見せるんだ。とても意地が悪いんだから。棺桶に片足突っ込んでいる癖に。まるで岩根御前みたいなんだから。」
イエは噴き出した。私はいまのさき兄と争うはずみに裁縫台の上にあるアイロンに触れ、手首に火傷をしていた。それがひりひりしてきたので、私は時々気にしては手首を舐めた。イエはそれに気づくと眉を顰め、一寸お待ちなさいと云って階下へいったが、上ってきたのを見ると、硼酸液と繃帯を持っていた。