Classici giapponesi con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
私にとっていちばんいやなことは、ひとから見られることである。ひとから見られていると思うと、私はもうぎくしゃくして、なにをすることも出来なくなってしまうのである。
ときたま呑み屋に行くことも、私にとっては欠くことの出来ない、いわば生活の要素である。呑み屋という場所も、私にとってはそんなに窮屈なところではない。私はひとと話の間のもてない方であるが、そこに酒というものが入れば、またべつである。
私は呑み屋の暖簾をくぐって、隅っこの方で、ちびりちびりやる。
「おや、いらっしゃい。久しぶりね。いい人が出来たんじゃないかと思って心配したわよ。」
「実は出来たんだ。」
「へえ。おどかさないでよ。」
「犬を飼ったんだ。メリーって云うんだ。」
「牝なのね。じゃ、あんた、この頃犬といるの?」
「犬といるなんて、同棲しているようなことを云うなよ。もっとも、同棲にはちがいないが。そのうち仔どもが産れるよ。」
「なに云ってんのよ。あんた、しっかりしなくちゃ駄目よ。早く、おかみさんをもらいなさいよ。」
「おれは正気だよ。もう帰る。」
「里心がついたのね。じゃ、またどうぞ。メリーさんに宜しく。