Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おちばのとなり

落葉の隣り

山本 周五郎

Leggi 落葉の隣り (おちばのとなり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.877 caratteri · 57 schermate

Aozora Bunko

それをよく覚えておくように、などと、いっぱしおとなぶった口ぶりで、だが心からしんけんに、繁次は繰り返し注意したものであった。

このあいだずっと、休みの日にはたいてい参吉が訪ねて来た。そしていっしょに芝居や寄席や、季節によっては菊見、舟遊び、遊山などにもでかけた。横山町の店はやかましいとのことで、いつも参吉のほうから来るのだが、するとおひさのようすが目立って変った。参吉はそれまでどおり、一と言か二た言話しかける程度だが、おひさは顔を赤らめ、返辞もろくにはできず、うるんだような眼で、気づかれないようにそっと見あげたりする。そのくせ参吉のいるあいだはそわそわとおちつかず、へまなことをして朋輩の女中に叱られる、といったようなことを繰り返した。

――まだ十三や十四で、いやだよこの子は、もういろけづいちゃったんじゃないの。

今年になってから、口の悪いおつねという女中にずけずけとそう云われ、おひさは泣きだしたことがあった。

「いま始まったことじゃねえ」繁次は持った盃をみつめながら、独りでそっと呟いた、「おひさは昔から参吉が好きだった、それでいいじゃねえか、おい繁、てめえやきもちをやいてるのか」