Classici giapponesi con furigana
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らくご・きょうそれつでん
落語・教祖列伝
Leggi 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.245 caratteri · 25 schermate
見どころのある人間だとは思われないが、困ったことには、コマメであるし、機転がきくし、手先の細工物にも妙を得ており、人が十日でやるようなことを一日で仕上げて済ましているようなズルイ奴だ。田舎では、こういう奴をズルイ奴だといって、正しい人間の仲間には入れないけれども、オ君の花聟の条件に照し合せると、正しくてグズで間違いのない当り前の人間よりも、あの野郎の方に都合良く出来ている傾きがある。正しくてグズで間違いがないのがこの土地の人間、ズルイ奴はよその者にきまっているのだが、ズルイということは善良でない人間の目から見ると、小利巧で働きがあると見えない節がないようだから困ったものだ。妾などというものは魔物であるから油断もできないし、考え方も狂っていようというものだ。
実直、といえば、それはこの土地の人間の美点のようなものであるが、あの野郎ときては酒をのまないという妙な野郎だ。雪国の人間は生涯ドブロクと骨肉の関係をもつものだが、よそ者のズルイ見方によれば、酒をのまないということが実直という意味の一端をなしているのかも知れない。生き馬の目をぬくとはこのこと、実に油断がならない。