Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Leggi 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.667 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

それは天下泰平の山奥の村落では、おだやかならぬ話であった。

★

オカカは長い間考えちがいをしていた。オラトコのアネサは生一本の怠け者で、ほかに望むところのないのが、せめてもの取り柄であると。ところが、そうではなかったらしい。

人間というものは、悲しいものだ。キンカの野郎のアネサは存分に怠けているように見える。もッと働いてくれないかと頼む人はいるけれども、たッて働けと言いきる勇士は誰もいない。馬吉のオカカですらも、ダメなのである。だからアネサは人間の境地を分類して、悠々自適と称するところに居るのであるが、かほどの人間でも、充ち足りざるものがある、夢がある、無限の遺恨があるのである。ああ、悲しいかな。

アネサは誰にも打ちあけていないが、七ツ八ツのころから、一と筋にあこがれていたことがある。そのアコガレは年と共に高く切なく胸にくすぶっていたのである。アネサはキンカの野郎のヨメになるツモリではなかった。天狗様のアンニャのヨメになりたかったのである。アンニャは、時にはアンチャとも云う。兄さん、青年ということである。天狗様のアンニャのヨメになりたかったが、色恋の沙汰ではない。