Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うすこうばい

薄紅梅

泉 鏡花

Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

」

「ええ。」

「実は――私ども、うまれが同じ国でございましてね、御懇意を願っておりますものですから。」

「ちっとも私……まあ、そうですか。」

「その御縁で、ついこの間、糸七さんと、もう一人おつれになって、神保町辺へ用達においでなさいましたお帰りがけ、ご散歩かたがた、「どうだい、新店は立行くかい。」と最初から掛構いなくおっしゃって。――こちらは、それと聞きますと、お大名か、お殿様が御微行で、こんな破屋へ、と吃驚しましたのに、「何にも入らない。南画の巌のようなカステーラや、べんべらものの羊羹なんか切んなさるなよ。」とお笑いなすって、ちょうど宅が。」

また眉を顰めたが、

「小工面に貸本へ表紙をかぶせておりましたのをごらんなさいまして、――「辻町のやつ、まだ単行が出来ないんだ。一冊纏ったもののように、楽屋中で祝ってやろう。筆を下さい。」――この硯箱を。」

「ちょいと、一度これを。」

と、お嬢さんは、硯箱を押させて、仲よしの押絵の羽子板のように胸へ当てていた『たそがれ』を、きちんと据えた。

「……「ひどい墨だな、あやしい茶人だと、これを鳥の子に包むんだ。」とおっしゃりながら、すらすらおしたためになったんでございますが、あの、筆をおとり遊ばしながら、「婦は遊女だ、というじゃないか。