Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
下駄と下駄の音も聞える。近づいたから、よく解る。三人とも揃いの黒羽二重の羽織で、五つ紋の、その、紋の一つ一つ、円か、環の中へ、小鳥を一羽ずつ色絵に染めた誂えで、着衣も同じ紋である。が、地は上下とも黒紬で、質素と堅実を兼ねた好みに見えた。
しかし、袴は、精巧平か、博多か、りゅうとして、皆見事で、就中その脊の高い、顔の長い、色は青黒いようだけれども、目鼻立の、上品向きにのっぺりと、且つしおらしいほど口の小形なのが、あまつさえ、長い指で、ちょっとその口元を圧えているのは、特に緞子の袴を着した。
盛装した客である。まだお膳も並ばぬうち、譬喩にもしろ憚るべきだが、密と謂おう。――繻子の袴の襞とるよりも――とさえいうのである。いわんや……で、綾の見事さはなお目立つが、さながら紋緞子の野袴である。とはいえ、人品にはよく似合った。
この人が、塩瀬の服紗に包んだ一管の横笛を袴腰に帯びていた。貸本屋の女房がのっけに、薦僧と間違えたのはこれらしい。……ばかりではない。
一人、骨組の厳丈した、赤ら顔で、疎髯のあるのは、張肱に竹の如意を提げ、一人、目の窪んだ、鼻の低い頤の尖ったのが、紐に通して、牙彫の白髑髏を胸から斜に取って、腰に附けた。