Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
」
三崎座の幟がのどかに揺れて、茶屋の軒のつくり桜が野中に返咲きの霞を視せた。おもては静かだが、場は大入らしい、三人は、いろいろの幟の影を、袴で波形に乗って行く。
「また何か言われそうな気がしますがね、それはそれとしてだね、娘が借りるらしかった――あの小説を見ましたかね。」
「見た、なお且つ早くから知っている。――中味は読まんが、口絵は永洗だ、艶なものだよ。」
「そうだ、いや、それだ。」
竹如意が歩行きざまの膝を打って、
「あの文金だがね、何だか見たようでいて、さっきから思出せなかったが、髑髏が言うので思出した。春頃出たんだ、『閨秀小説』というのがある、知ってるかい。」
「見ないが、聞いたよ。」
「樋口一葉、若松賤子――小金井きみ子は、宝玉入の面紗でね、洋装で素敵な写真よ、その写真が並んだ中に、たしか、あの顔、あの姿が半身で出ていたんだ。」
「私もそうらしいと思うですがね、ほほほ。」
「おかしいじゃないか、それにしちゃ、小説家が、小説を、小説の貸本屋で。」
「ほほほ、私たちだって、画師の永洗の絵を、絵で見るじゃありませんか。」
「あそうか、清麗楚々とした、あの娘が、引抜くと鬼女になる。