Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とうじゅうろうのこい

藤十郎の恋

菊池 寛

Leggi 藤十郎の恋 (とうじゅうろうのこい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.078 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

髪を茶筌に結った色白の美男である。下には、鼡縮緬の引かえしを着、上には黒羽二重の両面芥子人形の加賀紋の羽織を打ちかけ、宗伝唇茶の畳帯をしめている。藤十郎の右には、一座の立女形たる霧浪千寿が座っている。白小袖の上に紫縮緬の二つ重ねを着、天鵞絨羽織に紫の野良帽子をいただいた風情は、さながら女のごとく艶かしい。二人の左右に、中村四郎五郎、嵐三十郎、沢村長十郎、袖崎源次、霧浪あふよ、坂田市弥、小野川宇源次、藤田小平次、仙台弥五七、服部二郎右衛門、金子吉左衛門などが居ならんでいる。席末には若衆形や色子などの美少年が侍している。万太夫座の若太夫は、杯盤の闇を取り持っている。

幕が開くと、若衆形の美少年が鼓を打ちながら、五人声を揃えて、左の小唄を隆達節で歌う。

唄「人と契るなら、薄く契りて末遂げよ。もみじ葉を見よ。薄きが散るか、濃きが散るか、濃きが先ず散るものでそろ」

(歌い終ると、役者たち拍手をして慰う。下手の障子をあけ、宗清の女中赤紙の付いた文箱を持って出る)

女中 藤十郎様にお文がまいりました。

若太夫 (中途で受取りながら)火急の用と見える。(藤十郎に渡す)

藤十郎 (受取りて)おおいかにも、火急の用事と見えまする。