Classici giapponesi con furigana
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あしかり
蘆刈
谷崎 潤一郎
Leggi 蘆刈 (あしかり) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.413 caratteri · 78 schermate
、声ハ渓雲ヲ過ギ、韻ハ水風ニ飄ヒ、経廻ノ人、家ヲ忘レザルハナシといい、釣翁商客、舳艫相連ナリテ殆ンド水ナキガ如シ、蓋シ天下第一ノ楽地ナリともいっている。わたしはいまおぼろげな記憶の底をさぐってそれらの文章のところどころをきれぎれにおもいうかべながら冴えわたる月のひかりの下を音もなくながれてゆく淋しい水の面をみつめた。人には誰にでも懐古の情があるであろう。が、よわい五十に近くなるとただでも秋のうらがなしさが若いころには想像もしなかった不思議な力で迫ってきて葛の葉の風にそよぐのを見てさえ身にしみじみとこたえるものがあるのをどうにも振りおとしきれないのに、ましてこういう晩にこういう場所にうずくまっていると人間のいとなみのあとかたもなく消えてしまう果敢なさをあわれみ過ぎ去った花やかな世をあこがれる心地がつのるのである。『遊女記』の中には、観音、如意、香爐、孔雀などという名高い遊女のいたことが記してあり、そのほかにも小観音、薬師、熊野、鳴渡などという名が伝わっているがそれらの水の上の女どもの多くは何処へ行ってしまったのであろうか。