Classici giapponesi con furigana
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あしかり
蘆刈
谷崎 潤一郎
Leggi 蘆刈 (あしかり) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.413 caratteri · 78 schermate
保養をしましたというとせわしそうに息をはずませて先ず乾いた口をうるおしてからまた盃をわたしにさしてさあいま一つおかさねという。まぶかに被っている鳥打帽子のひさしが顔の上へ蔭をつくっているので月あかりでは仔細にたしかめにくいけれどもとしはわたしと同年輩ぐらいであろう、痩せた、小柄な体に和服の着流しで通行のように仕立てたコートを着ている。失礼ながら大阪からおいでになりましたかと言葉のふしぶしに京よりは西のなまりがあるのでたずねると、さようでござります、大阪の南の方にささやかな店を持ちまして骨董をあきなっておりますという。散策のおかえりがけででもありますかというと、いえ、いえ、今夜の月をみるつもりで夕刻から出て来たのでござりますが例年ならば京阪電車で出かけますところをことしは廻りみちをして、新京阪へ乗りまして、このわたしをわたりましたのが仕合わせでござりましたと腰のあいだから煙草入れの筒を抜き取って煙管にきざみをつめながらいうのである。と仰っしゃるとまいねん何処ぞ場所をさだめて月見にいらっしゃるのですか。さようでござります、と、そういってからたばこに火をつける