Classici giapponesi con furigana
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らんがくことはじめ
蘭学事始
菊池 寛
Leggi 蘭学事始 (らんがくことはじめ) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.575 caratteri · 31 schermate
それは、二人の蘭学に対する態度の根本的な相違だった。
玄白は、とうとう自分一人の名前で、ターヘルアナトミアの翻訳たる解体新書を上梓する決心をした。が、さすがに彼は、良沢の名を無視するわけにはいかなかった。翻訳の筆記こそ、玄白の手によって行われたものの、翻訳の功は、半ば良沢に帰すべきものだったから。
玄白は、良沢を訪うて序文を懇願した。が、良沢は序文をも、次のようにいって断った。
「いや、拙者かつて九州を歴遊いたした折、太宰府の天満宮へ参詣いたした節、かように申して起誓したことがござる。良沢が蘭学に志を立て申したは、真の道理を究めようためで、名聞利益のためではござらぬゆえ、この学問の成就するよう冥護を垂れたまえと、かように祈り申したのじゃ。この誓いにも背き申すゆえ、序文の儀は平に許させられい!」
それをきいた玄白は、寂しかった。が、彼は自分の態度を卑下する気には、少しもなれなかった。彼は、良沢の態度を尊敬した。が、それと同時に、彼は自分の態度を肯定せずにはおられなかった。
彼は、晩年蘭学興隆の世に会った時の手記に、自分の態度を、次のように主張した。
「翁は、元来疎慢にして不学なるゆえ、かなりに蘭説を翻訳しても、人のはやく理解し、暁解するの益あるようになすべき力はなく、されども人に託しては、我本意も通じがたく、