Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょこうのはる

虚構の春

太宰 治

Leggi 虚構の春 (きょこうのはる) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.586 caratteri · 108 schermate

Aozora Bunko

私はうんと、大声はりあげて泣きました。たいへんつまらないお葉書です。貴方は、読者の目を、もっともっと高く、かわなければいけない。愛読者ですというてお手紙さしあげることは、男として、ご出世まえの男として、必死のことと存じます。作家は人間でないのだから、人間の誠実がわからない。貴方のアルバムのお葉書、十七枚ございましたが、お約束でもしてあるように、こんどは何々の何月号に何枚かきました。こんどは何々という題で、何百頁の小説集を出します。ほかのこと、言うても判らぬ、とでもお思いなのですか。謙さんは、小学校のとき、どんなに学問できたか知っていますか? また私だって、学業とお針では、ひとに負けたことがございません。これからは、おハガキお断り申します。謙さんが可愛そうでございます。たいてい何か小説発表の五六日まえに、おハガキお書きになるのね。挨拶状五十枚もお出しになったのでございますか? 私たち寄席のお師匠さんが、新作読むまえに、耳ふさぎと申して、おそばか、すしを廻しますが、すしをごちそうになってから、新作もの承りますと、不思議なものです。たいへんご立派に聞えます。