Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

その癖裏に着けた狐の皮は斑にほうけて、むやみに脱落するところをもって見ると、何でもよほど性の悪い野良狐に違ない。

「御山へ御登りやすのどすか、案内しまほうか、ホホホ妙な所に寝ていやはる」とまた目暗縞が下りて来る。

「おい、甲野さん。妙な所に寝ていやはるとさ。女にまで馬鹿にされるぜ。好い加減に起きてあるこうじゃないか」

「女は人を馬鹿にするもんだ」

と甲野さんは依然として天を眺めている。

「そう泰然と尻を据えちゃ困るな。まだ反吐を吐きそうかい」

「動けば吐く」

「厄介だなあ」

「すべての反吐は動くから吐くのだよ。俗界万斛の反吐皆動の一字より来る」

「何だ本当に吐くつもりじゃないのか。つまらない。僕はまたいよいよとなったら、君を担いで麓まで下りなけりゃならんかと思って、内心少々辟易していたんだ」

「余計な御世話だ。誰も頼みもしないのに」

「君は愛嬌のない男だね」

「君は愛嬌の定義を知ってるかい」

「何のかのと云って、一分でも余計動かずにいようと云う算段だな。怪しからん男だ」

「愛嬌と云うのはね、――自分より強いものを斃す柔かい武器だよ」

「それじゃ無愛想は自分より弱いものを、扱き使う鋭利なる武器だろう」