Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

破けて飛ぶ事がある。あるいは発矢と熱を曳いて無極のうちに物別れとなる事がある。凄まじき喰い違い方が生涯に一度起るならば、われは幕引く舞台に立つ事なくして自からなる悲劇の主人公である。天より賜わる性格はこの時始めて第一義において躍動する。八時発の夜汽車で喰い違った世界はさほどに猛烈なものではない。しかしただ逢うてただ別れる袖だけの縁ならば、星深き春の夜を、名さえ寂びたる七条に、さして喰い違うほどの必要もあるまい。小説は自然を彫琢する。自然その物は小説にはならぬ。

二個の世界は絶えざるがごとく、続かざるがごとく、夢のごとく幻のごとく、二百里の長き車のうちに喰い違った。二百里の長き車は、牛を乗せようか、馬を乗せようか、いかなる人の運命をいかに東の方に搬び去ろうか、さらに無頓着である。世を畏れぬ鉄輪をごとりと転す。あとは驀地に闇を衝く。離れて合うを待ち佗び顔なるを、行いて帰るを快からぬを、旅に馴れて徂徠を意とせざるを、一様に束ねて、ことごとく土偶のごとくに遇待うとする。夜こそ見えね、熾んに黒煙を吐きつつある。

眠る夜を、生けるものは、提灯の火に、皆七条に向って動いて来る。