Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
「阿父も敷くから、御前も敷いて御覧。そらなかなか好いだろう」
「少し綿が硬いようね」
「綿はどうせ――価が価だから仕方がない。でもこれを買うために電車に乗り損なってしまって……」
「乗替をなさらなかったんじゃないの」
「そうさ、乗替を――車掌に頼んで置いたのに。忌々しいから帰りには歩いて来た」
「御草臥なすったでしょう」
「なあに。これでも足はまだ達者だからね。――しかし御蔭で髯も何も埃だらけになっちまった。こら」と右手の指を四本并べて櫛の代りに顎の下を梳くと、果して薄黒いものが股について来た。
「御湯に御這入んなさらないからですよ」
「なに埃だよ」
「だって風もないのに」
「風もないのに埃が立つから妙だよ」
「だって」
「だってじゃないよ。まあ試しに外へ出て御覧。どうも東京の埃には大抵のものは驚ろくよ。御前がいた時分もこうかい」
「ええ随分苛くってよ」
「年々烈しくなるんじゃないかしら。今日なんぞは全く風はないね」と廂の外を下から覗いて見る。空は曇る心持ちを透かして春の日があやふやに流れている。琴の音がまだ聴える。
「おや琴を弾いているね。――なかなか旨い。ありゃ何だい」
「当てて御覧なさい」