Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
謎の女は和尚をじっと見た。和尚は大きな腹を出したまま考えている。灰吹がぽんと鳴る。紫檀の蓋を丁寧に被せる。煙管は転がった。
「なるほど」
和尚の声は例に似ず沈んでいる。
「そうかと申して生の母でない私が圧制がましく、むやみに差出た口を利きますと、御聞かせ申したくないようなごたごたも起りましょうし……」
「ふん、困るね」
和尚は手提の煙草盆の浅い抽出から欝金木綿の布巾を取り出して、鯨の蔓を鄭重に拭き出した。
「いっそ、私からとくと談じて見ましょうか。あなたが云い悪ければ」
「いろいろ御心配を掛けまして……」
「そうして見るかね」
「どんなものでございましょう。ああ云う神経が妙になっているところへ、そんな事を聞かせましたら」
「なにそりゃ、承知しているから、当人の気に障らないように云うつもりですがね」
「でも、万一私がこなたへ出てわざわざ御願い申したように取られると、それこそ後が大変な騒ぎになりますから……」
「弱るね、そう、疳が高くなってちゃあ」
「まるで腫物へ障るようで……」
「ふうん」と和尚は腕組を始めた。裄が短かいので太い肘が無作法に見える。
謎の女は人を迷宮に導いて、なるほどと云わせる。