Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「阿爺も親切だな。そうかそれで兄さんが馬鹿になっちまったんだね。阿爺親切にして子は馬鹿になりか」

「なに、そりゃ、ちょっと。発句?」

「まあ発句に似たもんだ」

「似たもんだって、本当の発句じゃないの」

「なかなか追窮するね。それよりか御前今日は大変立派なものを縫ってるね。何だいそれは」

「これ? これは伊勢崎でしょう」

「いやに光つくじゃないか。兄さんのかい」

「阿爺のよ」

「阿爺のものばかり縫って、ちっとも兄さんには縫ってくれないね。狐の袖無以後御見限りだね」

「あらいやだ。あんな嘘ばかり。今着ていらっしゃるのも縫って上げたんだわ」

「これかい。これはもう駄目だ。こらこの通り」

「おや、ひどい襟垢だ事、こないだ着たばかりだのに――兄さんは膏が多過ぎるんですよ」

「何が多過ぎても、もう駄目だよ」

「じゃこれを縫い上げたら、すぐ縫って上げましょう」

「新らしいんだろうね」

「ええ、洗って張ったの」

「あの親父の拝領ものか。ハハハハ。時に糸公不思議な事があるがね」

「何が」

「阿爺は年寄の癖に新らしいものばかり着て、年の若いおれには御古ばかり着せたがるのは、少し妙だよ。この調子で行くとしまいには自分でパナマの帽子を被って、おれには物置にある陣笠をかぶれと云うかも知れない」