Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

と飛んで来た。

「いえ、四五日大変忙しくって、どうしても来られなかったんです」

「昼間も」と女は肩を後へ引く。長い髪が一筋ごとに活きているように動く。

「ええ?」と変な顔をする。

「昼間もそんなに忙しいんですか」

「昼間って……」

「ホホホホまだ分らないんですか」と今度はまた庭まで響くほどに疳高く笑う。女は自由自在に笑う事が出来る。男は茫然としている。

「小野さん、昼間もイルミネーションがありますか」と云って、両手をおとなしく膝の上に重ねた。燦たる金剛石がぎらりと痛く、小野さんの眼に飛び込んで来る。小野さんは竹箆でぴしゃりと頬辺を叩かれた。同時に頭の底で見られたと云う音がする。

「あんまり、勉強なさるとかえって金時計が取れませんよ」と女は澄した顔で畳み掛ける。男の陣立は総崩となる。

「実は一週間前に京都から故の先生が出て来たものですから……」

「おや、そう、ちっとも知らなかったわ。それじゃ御忙い訳ね。そうですか。そうとも知らずに、飛んだ失礼を申しまして」と嘯きながら頭を低れた。緑の髪がまた動く。

「京都におった時、大変世話になったものですから……」

「だから、いいじゃありませんか、大事にして上げたら。