Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
解き終らぬ先に先生はまた出てくる。
「さあ御上り」
座敷の真中に、昼を厭わず延べた床を、壁際へ押しやったあとに、新調の座布団が敷いてある。
「どうか、なさいましたか」
「何だか、今朝から心持が悪くってね。それでも朝のうちは我慢していたが、午からとうとう寝てしまった。今ちょうどうとうとしていたところへ君が来たので、待たして御気の毒だった」
「いえ、今格子を開けたばかりです」
「そうかい。何でも誰か来たようだから驚いて出て見た」
「そうですか、それは御邪魔をしました。寝ていらっしゃれば好かったですね」
「なに大した事はないから。――それに小夜も婆さんもいないものだから」
「どこかへ……」
「ちょっと風呂に行った。買物かたがた」
床の抜殻は、こんもり高く、這い出した穴を障子に向けている。影になった方が、薄暗く夜着の模様を暈す上に、投げ懸けた羽織の裏が、乏しき光線をきらきらと聚める。裏は鼠の甲斐絹である。
「少しぞくぞくするようだ。羽織でも着よう」と先生は立ち上がる。
「寝ていらしったら好いでしょう」
「いや少し起きて見よう」
「何ですかね」
「風邪でもないようだが、――なに大した事もあるまい」