Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「無いと同然で。久しい間、音信不通にしておったものですからな」

「なるほど。それじゃ、全く小野氏だけが御力ですな。そりゃ、どうも、怪しからん事になったもので」

「馬鹿を見ました」

「いやしかし、どうにか、なりましょう。そう御心配なさらずとも」

「心配は致しません。ただ馬鹿を見ただけで、先刻よく娘にも因果を含めて申し聞かしておきました」

「しかしせっかくこれまで御丹精になったものを、そう思い切りよく御断念になるのも惜いから、どうかここはひとまず私共に御任せ下さい。忰も出来るだけ骨を折って見たいと申しておりましたから」

「御好意は実に辱ない。しかし先方で断わる以上は、娘も参りたくもなかろうし、参ると申しても私がやれんような始末で……」

小夜子は氷嚢をそっと上げて、額の露を丁寧に手拭でふいた。

「冷やすのは少し休めて見よう。――なあ小夜子行かんでも好いな」

小夜子は氷嚢を盆へ載せた。両手を畳の上へ突いて、盆の上へ蔽いかぶせるように首を出す。氷嚢へぽたりぽたりと涙が垂れる。孤堂先生は枕に着けた胡麻塩頭を

「好いな」と云いながら半分ほど後へ捩じ向けた。ぽたりと氷嚢へ垂れるところが見えた。