Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

忘れたる死を不用意の際に点出するから偉大なのである。ふざけたるものが急に襟を正すから偉大なのである。襟を正して道義の必要を今更のごとく感ずるから偉大なのである。人生の第一義は道義にありとの命題を脳裏に樹立するが故に偉大なのである。道義の運行は悲劇に際会して始めて渋滞せざるが故に偉大なのである。道義の実践はこれを人に望む事切なるにもかかわらず、われのもっとも難しとするところである。悲劇は個人をしてこの実践をあえてせしむるがために偉大である。道義の実践は他人にもっとも便宜にして、自己にもっとも不利益である。人々力をここに致すとき、一般の幸福を促がして、社会を真正の文明に導くが故に、悲劇は偉大である。

問題は無数にある。粟か米か、これは喜劇である。工か商か、これも喜劇である。あの女かこの女か、これも喜劇である。綴織か繻珍か、これも喜劇である。英語か独乙語か、これも喜劇である。すべてが喜劇である。最後に一つの問題が残る。――生か死か。これが悲劇である。

十年は三千六百日である。普通の人が朝から晩に至って身心を労する問題は皆喜劇である。三千六百日を通して喜劇を演ずるものはついに悲劇を忘れる。