Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
甲野さんも、宗近君もこの精舎を、もっとも趣きある横側の角度から同時に見上げた。
「明かだ」と甲野さんは杖を停めた。
「あの堂は木造でも容易に壊す事が出来ないように見える」
「つまり恰好が旨くそう云う風に出来てるんだろう。アリストートルのいわゆる理形に適ってるのかも知れない」
「だいぶむずかしいね。――アリストートルはどうでも構わないが、この辺の寺はどれも、一種妙な感じがするのは奇体だ」
「舟板塀趣味や御神灯趣味とは違うさ。夢窓国師が建てたんだもの」
「あの堂を見上げて、ちょっと変な気になるのは、つまり夢窓国師になるんだな。ハハハハ。夢窓国師も少しは話せらあ」
「夢窓国師や大燈国師になるから、こんな所を逍遥する価値があるんだ。ただ見物したって何になるもんか」
「夢窓国師も家根になって明治まで生きていれば結構だ。安直な銅像よりよっぽどいいね」
「そうさ、一目瞭然だ」
「何が」
「何がって、この境内の景色がさ。ちっとも曲っていない。どこまでも明らかだ」
「ちょうどおれのようだな。だから、おれは寺へ這入ると好い気持ちになるんだろう」
「ハハハそうかも知れない」
「して見ると夢窓国師がおれに似ているんで、おれが夢窓国師に似ているんじゃない」