Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
しかも死んだのは五十になるか、ならんうちだ。やろうと思わなければ、横に寝た箸を竪にする事も出来ん」
「本堂より、あれを見ろ」と甲野さんは欄干に腰をかけたまま、反対の方角を指す。
世界を輪切りに立て切った、山門の扉を左右に颯と開いた中を、――赤いものが通る、青いものが通る。女が通る。小供が通る。嵯峨の春を傾けて、京の人は繽紛絡繹と嵐山に行く。「あれだ」と甲野さんが云う。二人はまた色の世界に出た。
天竜寺の門前を左へ折れれば釈迦堂で右へ曲れば渡月橋である。京は所の名さえ美しい。二人は名物と銘打った何やらかやらをやたらに並べ立てた店を両側に見て、停車場の方へ旅衣七日余りの足を旅心地に移す。出逢うは皆京の人である。二条から半時ごとに花時を空にするなと仕立てる汽車が、今着いたばかりの好男子好女子をことごとく嵐山の花に向って吐き送る。
「美しいな」と宗近君はもう天下の大勢を忘れている。京ほどに女の綺羅を飾る所はない。天下の大勢も、京女の色には叶わぬ。
「京都のものは朝夕都踊りをしている。気楽なものだ」
「だから小野的だと云うんだ」
「しかし都踊はいいよ」
「悪るくないね。