Classici giapponesi con furigana
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たんぱくせき
蛋白石
宮本 百合子
Leggi 蛋白石 (たんぱくせき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.056 caratteri · 25 schermate
木蓮の葉のまっ青な群の下に籐椅子を据えて「ひざ」の上に本をふせたまんま千世子は何か柔い節の小唄めいたものを歌って居た。
「見えるの?」
篤は重なって肇の頭の上から千世子の様子を見た。
「いつもより奇麗に見えるねえ。」
「ああ。」
「何故なんだろう。」
「女の人なんか日光の差し工合だって奇麗にもきたなくも見えるもんだよ。」
「随分若く見える。」
千世子は茶っぽい銘仙のぴったり体についた着物を着て白っぽい帯が胸と胴の境を手際よく区切って居る。きつくしめられた帯の上は柔かそうにふくれてズーッとのばして膝の上で組み合わせた手がうす赤い輪廓に色取られて小指のオパアルがつつましく笑んで居た。のびやかな、明るい、千世子の姿に吸いよせられた様に二人はジーッと見て居た。
実際又美くしかったに違いない。
千世子自身も、世の中のあらゆる幸福が自分を被うて他人より倍も倍もの恵を下されて居る様に感じて居た。
殆すべり出る様にしての歌は心をそーっと抱えて遠い処へ連れて行きそうであった。
春の力強い陽気な日光は千世子のまわりを活溌に踊り狂って居た。
だまって見て居た二人は急に首を引っこめた。