Classici giapponesi con furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Leggi 蜘蛛の夢 (くものゆめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.189 caratteri · 298 schermate
提灯は又もや消えた。
「畜生。おれは狐にでも化かされているのじゃないかな。」
まさかとも思いながらも、再三の失敗に父はすこし疑念をいだくようになった。
「もう思い切って今夜は止めよう。」
父は第三の穴をはいあがって家へ引っ返した。すすきの葉で足や手さきを少し擦り切っただけで、別に怪我というほどの怪我はしなかったが、三度もおとし穴に落ちたのであるから、髪の毛にまで泥を浴びていた。父は素裸になって、井戸端で頭を洗い、手足を洗った。
「まったく狐の仕業かも知れませんね。」と、母は言った。
父ももう根負けがして、そのままおとなしく蚊帳のなかにはいった。しかもかの女のことがどうも気になるので、夜の明けるまでおちおちとは眠られなかった。
夜は明けても今朝は一面の深い靄が降りていて、父の探索を妨げるようにも見えた。それが晴れるのを待ちかねて、父は身ごしらえをして再びゆうべの跡をたずねると、草ぶかい空地のまん中から少しく西へ寄ったところに、第一の穴を発見した。それが最初にころげ込んだ穴であることは、片足の草履が落ちているのを見て証拠立てられたが、そこに女のすがたは見えなかった。