Classici giapponesi con furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate
この時間には消灯した廊下の方から懐中電灯の明りが副室の硝子戸を透して、次の病室のカーテンに明りをつたえて来た。間もなくドアが音もなく開いて懐中電灯が寝台の上を走り、私が起きて明けている眼を見られた、というより先刻から電灯を点けていたことをちゃんと廊下から見て知っているらしいのだ。ゆるく副室とのしきりになっているかーてんの合せめから、彼女の声が起った。お寝みになれないんですか、だったら当直の先生にそう言って睡眠薬をいただいて参りますがと言った。夜中に各室を廻る夜の守人である看護婦が、冴えた夜中の声音をひそめてそう言った。私はいま煙草を喫って目をさましていたところです、ご心配なくともいいのですとそう答え、看護婦はではおやすみなさいましと言って廊下に出て行った。大抵彼女らの見廻りにはよく寝込んでいて知らないことが多いが、懐中電灯のあかりがかーてんをとおして外部から射してくる時には、たまたま、尿の関係から私は起きて目をさましていた。僅かなことではあるが夜の守人という感じがあった。
一日に三回の注射の針は私の腕にあとを残し、そこだけ次第に固くしまって来ていた。