Classici giapponesi con furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate
音も感じもない、所と場所を変えれば出ることは何時も最後の手段ではあったが、今夜はあまりに旨くいって石垣の間にある僅かばかりの土の上に、用事あるげに這う羽根のある一疋のむしを見出した。全くこのむしは用事があって夜中に歩いているのだ。私の用事は次の時間の来るまでにもう終った。あと二時間後にはまた起きねばならないのだが、ともかく今はその用事が終ったのである。雨戸を締めようとして後ろ山の景色を見たが、曇天でかさかさして美しくなかった。明るい電灯の下で尿意から放たれたからだを横たえると、ずっと暗い処ばかりにいた眼にはこんなに電灯があかるくては、何も彼もたすかったような気になり、うがいをしてから水を飲み、喉を充分に湿らしてから手を伸ばして煙草を一本つまみあげた。煙草をのめば目に見えて咳込んでくるし其くるしい少時の間は、どんなに酷くてもこらえねばならぬ。けれどもこの山の中の電灯があまりにもこうこうとかがやいている嬉しさは、せめて煙草をのむことで現わすより外に現わしようもない、水を飲めばすぐ尿意にからんで来るので、水とか茶とかビールとかは夕方前には一さいとらなかった、だから煙草をのむよりほかにいまのこうこうとした明るさに代えるべきものがない、煙草をのめば睡れないから睡眠剤までのまねばならないことは判っている、私は火を点け