Classici giapponesi con furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.662 caratteri · 174 schermate
」
「あそこに、お乞食さんがいたの。」
「お天気さえ好ければ、きっといた、或る日は男、或る日は女というふうに、どれも足のきかない人達がいたんだ、そしてこのごろは橋はないが、通るたびに眼に橋が見えて来て僕が彼処に坐り、また、僕の妻も、僕と交替に彼処に出ているような気がして、あの橋があそこを通るたびに見えて来る、そして新橋の方に夕雲がぎらついて、街は暮れかけていても、橋の上だけが明るく浮いて見えている。」
「おじさまったら、そんなふうに年中小説ばかり頭ん中で書いていらっしゃるのね。だって小母様が橋の上にお坐りになるなんてこと、ありえないことじゃないの。」
「人間は誰だって彼処にいちどは、坐って見る頭の向きがある。そうでなかったら、仕合せというものを認めることが出来ない訳だ。僕もあそこに何時だって坐って見るかくごはある。戦争中はみんな彼処に坐っていたようなもんだ。」
「じゃ、あたいは下水に流されてゆくのね。」
「きみは下水のお歯黒溝であぶあぶしているし、僕は橋の上で一銭呉れというふうに、一日呶鳴っているようなもんだ。」
「おじさまは仕合せすぎると、ぜいたくしたくなって、お乞食さんのまねまでしたくなるのね。