Classici giapponesi con furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.662 caratteri · 174 schermate
いくつかの小説、幾冊かの印税のあぶら汗も、美しい一羽の雲鶴に及ばないのである。女に深入りしていると、人はしまいにボロを下げて歩いていなければならなくなる。本人は女を持っているのであるからボロに気がついても、容易に新調の服を着込むことが出来なかった。女は悉くの札束をその愛すべき唇をもって、これもまた馬のごとく食べちらすことに於ては、人後に落ちない、彼は気がつくと帽子はしみだらけに鍔はひろがり、着物は十年前に作ったものを裏を返して仕立て直し、表に糊をつけて着込み、彼のたんすはいつも空であった、けれども壺を下げている、これは一体どういうことなのであろう。
彼はこれではいけない、こんなふうだと何も彼も失ってしまうと気が付いても、やはり街を歩いて陶器を買いこんでいた、きょうは見るだけにして置こうと考えながらも、一つの陶器を前から後ろから眺め、ああ、いいなあと思い、あれを書き上げたらあの金を廻そうという気になり、彼は懐中からあるだけの金を取り出してしまうのである。それは常に一個とか二個とかに限られていなくて、見るものがほしくなり、彼の書斎は足の踏み場もないくらいに、壺とか花生とかが併んでいる、財力のない人間が自分の財力の程度を知りながら、なお、そこできながら慾望を満たそうとするのは、手のつけようのないものである。