Classici giapponesi con furigana
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みかん
蜜柑
山本 周五郎
Leggi 蜜柑 (みかん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.307 caratteri · 25 schermate
の人命を損ずると存じますが、いかに思し召しましょうか」
「それはもっともな申しようだ、だがそれならば余の乗替え船と、尾張どのから馳走に廻された関船に、おもだった者だけ乗せて供すればよいであろう」
「仰せではございますが、大身重役のかたがたがお供をつかまつるのに、船が悪いからと云って軽き身分の者がお供をせずにおる道理はございません」
「ではこうすればよい」頼宣は折かえして云った。
「余の船と乗替えと関船とに直参を残らず乗せ、又者や雑人は陸路をやるのだ。これなら仔細はあるまい」
「左様なことが相なりまするか!」
源四郎は突然おお声をあげた、それは天床へびんと反響したほどの声だった。彼はおおきく眼をみひらいて頼宣を見あげ、おのれの膝をはっしと打ちながら叫んだ。
「たとえ又者、雑人なりとも、紀伊の水を飲んだほどの者には骨がござります、おのれらの主人が荒海を冒してお供つかまつるに、じぶんだけ安穏の陸をまいるなどという臆病者はいちにんもおりませぬ。やぶれ船にうち乗って海上に溺死をいたしましょうとも、必ず主人の供をするに相違ございません、かように忠義な者どもをころすのはいたわしゅうございますが、御意とあれば唯今より船出の支度をいたさせます、いかがはからいましょうや」