Classici giapponesi con furigana
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
Leggi 蝙蝠 (こうもり) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.107 caratteri · 23 schermate
祖父は、あとでわかったのであるが、強い酒に頭が狂っていたのであるそうだ。そうと知らず、離縁された皆三たちの父は、ただぽかんとして、葉山の別荘にひとりで暮しているうち、ある日海水浴をすると、急に心臓痲痺が来て死んでしまった。
「僕が三つのときだ」
皆三は何の感慨もなさそうに云った。
何とも理由づけられない災難に逢ったのち、男の子三人抱えた寡婦として自分を発見した皆三の母親のおふみは、はじめて世の中の寂しいことや責任の重いことを覚った。そうなるまでは、まったく中年まで、この母親はお嬢さん育ちのままであった。知り合いのなかから相談相手として、三四人の男女も出て来たのであるが、成績は面白くなかった。遺産はみすみす減って行くばかりだった。母親は怯えと反抗心から、その後は羽がいの嘴もしっかり胴へ掻き合せた鳥のように、世間というものから殆ど隔絶して、家というものと子供とを、ただその胸へ抱き籠めるような生活態度を執るようになった。
祖父に似て派手で血の気の多い長男は、海外へ留学に出たままずっと帰らない。実直で父親似と思った次男は、思いがけない芸人で、年上の恋人が出来、それと同棲するために、関西へ移ったまま音信不通となった。