Classici giapponesi con furigana
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がま
蝦蟇
豊島 与志雄
Leggi 蝦蟇 (がま) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2192 caratteri · 5 schermate
生きて居た。大きい口をぱくっとやると、その辺のものはすーっと吸い取られた。そして飛び出た両の眼は一つ所に定められて動かなかった。背中の斑点が呼吸のためにかすかに動いていた。
私の両の眼もじっと蝦蟇を見つめて動かなかった。そして私も呼吸をしていた。私達は二つの別なものでもあれば、また一つのものでもあった。そのままで三十分余りもたつことがあった。勿論私はその時、時間などのことは全く忘れてはいたが。
何故に? 何のために? ということが私の問題ではなかった。如何にする? 如何になる? ということが私の問題でもなかった。否、凡そ「何」という字のつくことは全く問題ではなかった。それならば?……それは私にも分らない。私はただじっと蝦蟇を見ていた。それが如何にも落付いていた。
そのうちにあのことが起ったのだ。その時私は何かしら憤っていた。と云って別に腹が立っていたわけではない。憤っていたというのが悪ければ、私全体が苛ら苛らして浮々していたのだ。それは気圧の影響だと思う。気圧は妙に人の心の雰囲気に影響するものである。
私は或晩、蝦蟇をうつ向けた盥の中に。入れて、上に大きい石をのせて置いた。