Classici giapponesi con furigana
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がま
蝦蟇
豊島 与志雄
Leggi 蝦蟇 (がま) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2192 caratteri · 5 schermate
「へへへ、彼奴は神倉山の精でがすよ。俺等の手にはおえねえだ。返して来たから、行ってみなっせえ。まだ出てるかも知んねえ。」
わくどう爺はそう云った。皺寄った赤黒い顔の中から、小さな眼が睨むように覗いていた。
所が不思議なことには、誰もその大蝦蟇を見た者が居ないことだった。どんなだと聞いても、わくどう爺は、ただ大きいと云っただけで何とも答えなかった。人間の頭位の大きさで金色の眼をしてるという噂が何処から伝わったか、更に分らなかった。誰も見なかったのである。そしてわくどう爺はそれについて一切口を噤んでいた。
「今に村の不思議となっている。」と当時国からの母の手紙に書いて来た。そしてわくどう爺は相変らず蝦蟇を捕えているそうである。
……右の話がどうして私の心に浮んだか、それは私も知らない。ただその話が妙にしっくり調和していたのである、私の気持ちと。
兎に角私はその時妙に憤ってたのである。
私は盥をうつむけてその下に蝦蟇を入れ、上に大きい石をのせて置いた。然し私はその晩、大変落付いていたのである。よく眠った。そして翌朝、盥の中にはその蝦蟇の姿が見えなかった。