Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Leggi 蠅男 (はえおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 118.129 caratteri · 237 schermate
十分ほど懸って、二人は遂に谷の底についた。幌は裂け鉄板は凹み、車体は見るも無慚な壊れ方であった。
帆村は勇敢にも、ぐるっと後部の方に廻ってから自動車の方に匍っていった。長吉は固唾を嚥んで、帆村の態度を注視していた。
帆村は飛びつくようにして遂に車体にピッタリとくっついた。彼の首が次第次第に上ってきて、やがて幌の破れ目から車内を覗きこんだ。
そのときである。帆村が胆をつぶすような大きな声で叫んだのは……。
「これは変だ。自動車は空っぽだ。中には誰も乗っていないぞッ」
愕くべきニュース
折角幌自動車に追いついて、はては崖下まで探しに行ったのに、このなかにはから紅の血潮に染まった怪人の屍体があるかと思いの外、誰も居ない空っぽであった。
帆村は真赤になって地団駄をふんで口惜しがったが、それとともに一方では安心もした。彼はこの車の中にひょっとすると糸子が入っているかも知れないと思っていたのだ。或いは無慚な糸子の傷ついた姿を見ることかと思われていたが、それはまず見ないで助かったというものだ。
「帆村はん。この自動車を運転していた蠅男はどうしましたんやろ」
「さあ、たしかに乗っていなきゃならないんだがなア、ハテナ……」