Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はえおとこ

蠅男

海野 十三

Leggi 蠅男 (はえおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 118.129 caratteri · 237 schermate

Aozora Bunko

そこで看護婦の君岡は、電報の用事を受付の看護婦に頼み、自分はその黒ずくめの紳士を伴って、再び室の方にひっかえした。

「さあ、こっちでございますわ」

といって、病室の扉を開いたが、そのとき二人はベッドの上が乱雑になって居り、寝ているはずの帆村荘六の姿が見えないのを発見して愕いた。

「オヤ、帆村さんはどうなすったのでしょう。ウンウン唸っていらっして、起きあがれそうもなかったのに……」

「ウン、これは変だな」

黒ずくめの紳士は、室内に飛びこんできた。

「もし看護婦さん、この窓は、さっきから開いていたのかね?」

「ええ、なんでございますって。窓、ああこの窓ですか。さあ――変でございますわネ。たしかに閉まっていた筈なんですが」

ベッドの頭の方にある中庭に面した窓が、上に押しあげられていたのである。誰がこの窓を開けたのだろう。そして誰が患者の身体を攫っていったのだろう。

紳士は窓ぎわへ急いで近づくと、首を出して外を見た。地上までは一丈ほどもあり、真暗な植込みが、窓から洩れる淡い光にボンヤリ照らし出されていた。しかし地上に帆村の姿を見出すことはできなかった。

「どうも困ったネ」