Classici giapponesi con furigana
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しみ
蠹魚
宮本 百合子
Leggi 蠹魚 (しみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3373 caratteri · 7 schermate
そして最後は上帝への礼拝で終っている。
ほんの七行、今の小学生のよむ英語読本の「蝶々はとびます」風の文句に、仰々しく一々何々論何々論、と四角い字を並べ、肩を張って読んだ人々の心持を考えると、漫に洋学が公然日本に入りかけた時代の、白熱した一般の読書慾、知識慾を思いやられる。
彼等は、書いてあることが下らなかろうが、支那人向きであろうが一向頓着せず、横文字の読めると云う嬉しさ珍しさに我を忘れて、この小冊子も読み耽っただろう。丁度、私共が十二三の頃、面白くもなければ、本当の意味もわからない西鶴や方丈記を、其等が「大人の本」であると云う丈の理由で、さも博大な知識を獲得しつつあるような満足と動悸とを以て読み、筆写さえした通りに。
この本の印刷された年代で見ると、祖父は三十前後の壮年で、末弟が十七八であったらしい。恐らく末弟――私からは伯父に当る少年が、当時住んでいた米沢で、この本を読みでもしたかと思われる。彼は、木綿の「裾細」(もんぺいのようで袴腰のついているもの)をはいて、膝位まである雪を踰え、友達の処へでもゆき、
「此は好い本だしか。何んでも書いて無えちゅものは無いしか」