Classici giapponesi con furigana
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ちのもじ
血の文字
黒岩 涙香
Leggi 血の文字 (ちのもじ) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 44.021 caratteri · 87 schermate
のです、事が分れば分るだけ疑われる人も減る訳ですから此上申兼たお願ながら何うか私しに此家の家捜をさせて下されますまいか」と大胆な事を言出せり、余は目科が何の目的にて屋捜せんと欲するにや更に合点行かざれど無言の儘控ゆるに倉子は快よく承諾し「はい爾して疑いを晴せて戴く方が私しも何れほど有難いか知れません」と云が否や其衣嚢を掻探りて戸毎の鍵を差出す様、心に暗き所ある人の振舞とは思われず、目科は其鍵を受取りて戸棚押入は申すに及ばず店より台所の隅までも事細かに調べしかど怪む可き所更に無く「此上捜すのは唯穴倉一つです」と云い又も倉子の顔を見るに倉子は安心の色をこそ示せ、気遣う様子更に無し、去れど目科は落胆せず、倉子に燭を秉らせて前に立たせ余を背に従えて、穴倉の底まで下り行くに、底の片隅に麦酒の瓶あり少し離れて是よりも上等と思わるゝ酒類の瓶を置き、猶お四辺には様々の空瓶を堆きほど重ねあり、目科は外の品よりも是等の瓶に尤も其眼を注ぎ殊に其瓶の口を仔細に検むる様子なれば余は初て合点行けり、彼れは此家の瓶の中に若し彼の曲者が老人の室に投捨て去りし如き青き封蝋の附きたるコロップあるや否を探究めんと思えるなり、凡そ二十分間ほども探りて全く似寄りたる