Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちのもじ

血の文字

黒岩 涙香

Leggi 血の文字 (ちのもじ) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 44.021 caratteri · 87 schermate

Aozora Bunko

余「と云て今既に二時を打たぜ目「爾だ、さア直に行う」と云い早や勘定を済せて立上れり、目科が当ッて砕けろとは如何なる工夫なるや知ざれど、余は又も無言の儘従い行く、行きて藻西の家より遠からざる所に達し、再び但ある露路に潜みて店の様子を伺い居るに、幾分間か経ちし頃、倉子は店口より立出たり、先ほどの黒き衣服に猶お黒き覆面を施せしは死せし所天の喪に服せる未亡夫人かと疑わる、目科は口の中にて「仲々食えぬ女だわえ、悲げな風をして判事に憫みを起させようと思ッて居る」と呟きたり、暫くするうち倉子は足早に裁判所の方へと歩み行き其姿も見えずなりしが是より猶も五分間ほど過せし後、目科は「さア時が来た」と云い余を引きて此隠場を出で一直線に藻西の店先に到るに果せるかな先刻見たる下女唯一人帳場に据りて留守番せり、目科の姿を見て立来るを、目科は無雑作なる言葉にて「これ/\、内儀を一寸と呼で呉れ下「内儀さんは最う出て仕舞いましたよ」目科は驚きたる風を示し「其様な筈は無いよお前先程来た己の顔を忘れたな下「いえ爾では有ませんが、全く内儀は出て仕舞たのです、虚と思えば奥の間へ行て御覧なさい、最う誰も居ませんから目「やれ/\、あゝ夫は困ッたなア実に困た、己よりも先ア内儀が嘸かし失望する