Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Leggi 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.970 caratteri · 176 schermate
賭場は、今が勝負の最中らしく、明神へ参詣帰りの客や、土地の者が、数十人集まってい、盆を囲繞いて、立ったり坐ったりしていた。世話をする中盆が、声を涸らして整理に努めているかと思うと、素裸体に下帯一つ、半紙を二つ折りにしたのを腰に挾んだ壺振りが、鉢巻をして、威勢のよいところを見せていた。正面の褥の上にドッカリと坐り、銀造りの長脇差しを引き付け、盆を見ている男があったが、これが五郎蔵で、六十五歳だというのに、五十そこそこにしか見えず、髪など、小鬢へ、少し霜を雑じえているばかりであった。段鼻の、鷲のような眼の、赧ら顔は、いかにも精力的で、それに、頤などは、二重にくくれているほど肥えているので、全体がふくよかであり、武士あがりというだけに、品があり、まさに親分らしい貫禄を備えていた。甲州紬茶微塵の衣裳に、紺献上の帯を結んでいるのも、よく似合って見えた。その横に女が坐っていた。以前から五郎蔵が、自分のものにしようと苦心し、それを、柳に風と受け流し、今に五郎蔵の自由にならないところから、博徒仲間で、噂の種になっている、お浦という女であった。二業――つまり、料理屋と旅籠屋とを兼ねた、武蔵屋というのへ、一、二年前から、流れ寄って来ている、いわゆる茶屋女なのである。