Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こううんりゅうすい

行雲流水

坂口 安吾

Leggi 行雲流水 (こううんりゅうすい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.645 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

「しかし、みんな打ちあけると、キミはボクがキライになるんじゃないのかな」

「そんなことないわ。私、男の人が好きになったのはアナタがはじめてだわ。だから、すてないでね」

男は又、考えこんだ。

「じゃア、思いきって、言ってやれ。もう、思いきって、言ってしまうほかに手がなくなったんだ。ボクは今日にも自殺するほかには手がなくなったんだ」

「アラ、そんなこと、ある筈ないじゃないの」

「キミには、わからないことさ。ボクは吾吉氏と同じ境遇なんだよ。わかったかい。出張なんて、デタラメさ。会社の金を使いこんで逃げ廻っていたんだよ。盗んだ金も、なくなったんだ。ボクは強盗して生きのびるほどの度胸はないから、死ぬよりほかに仕方がない。旅先でも、死場所を探していたのだが、ズルズル東京へ戻ってきてしまったのさ。ただキミが一緒に死んでくれるかどうか、それが不安で、今まで生きてきたゞけだよ」

「私だって、アナタが死んでしまえば、生きているハリアイがないわ」

ソノ子はこんなに気が弱くなったことはなかった。まだ、十八の小娘なのである。そのときまで毛頭思いもよらなかった死というものに、にわかに引きこまれるような気持になった。