Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

いつのまに、こんな虹がかかったのだろうと考える。さッき橋を渡るときまでは、あそこに、なにもなかったのに。……

気を失ったのか、眠って夢を見ていたのか、わけの分らないような状態から、ルミ子はふと我にかえった。

誰かが扉をノックしている。

「だれ?」

「私。カズ子よ。ちょッと、いい?」

「ちょッと、待って」

ルミ子は立って、ネマキをきて、扉をあけた。

カズ子は中をのぞいて、

「もう、あの人、帰ったの?」

それをきくと、廊下の曲り角に隠れて様子をうかがっていたヤエ子も姿を現した。

「ちょッと、心配だから、来てみたのよ。おとなしく帰ったのね」

「うん。とっくに帰ったわ」

「チェッ。じゃア、あッちの部屋へくればいいのに」

ヤエ子は苦笑して、

「色男をみると逃がしゃしないんだから。オタノシミのことですよ」

「兄さんは、ねた?」

「いいえ、起きてる」

ルミ子はふと身にしむような懐しさを覚えてクラクラした。

十

その翌日、放二はエンゼルの自宅を訪ねて行った。

酒を飲みすぎれば、誰しも妙な風になるものだ。しかし、それが当人の本心というわけではない。たとえ本心にしたところで、誰の本心も汚いものだが、理性の働いている時には抑制されているのだから、酔わない時を人間の常態とみるのが当り前だ。