Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

記代子の独語は生き生きとしていた。

十二

翌朝、新たな第一日の目ざめをむかえても、記代子の胸のふくらみはつづいていた。冷静な考え方も、かなりチミツな計算力もとりもどしたが、希望の明るさを消す力にはならなかった。むろん、いろいろな不安がないことはない。しかし、それをムリに押し殺す必要はなかった。希望がそれにたちまさっていたからである。

「ホウ。顔色がさえているね」

朝の第一の挨拶に、青木はすかさずこう呼びかけた。青木はそれを喜びもしたが、それがいつまで続くことか、という暗い思いが、同時にひらめいているのであった。

こうして記代子の顔色がにわかに安直に冴えるのを見ると、青木がつくづく感じるのは自分と記代子の距離であった。ひところ二人がママゴトめいた関係をもったこと、記代子がニンシンしたこと。夢のようだ。

「ひどいことをしたもんだなア」

青木はいくらか羞じて、間のわるい気持になるのであった。なぜなら、二人の距離の距たりがひどすぎるからだ。今になって、どうしてこんなに目立つのだろう、青木はそれをフシギに思った。

「なア。記代子さん。ぼくの云った通りだろう。