Classici giapponesi con furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate
だが、長さんほどの水ムシともなれば、片言隻句、人生すべてこれ白骨ではありませんか。ねえ。長さん。あなた、なんのために、なぜ、上京したのさ。え? よく晴れた日に、か。やれやれ。雨の降る日、風の吹く日は、どうしてようてんだろうなア、この幽霊は」
その幽霊の本体はすぐそこに横たわっていた。特に正装とも思われないが、見苦しくない和服を身につけ、お化粧もし、今は解かれているが、紐で二ヶ所膝をむすんでいたそうである。流行の毒薬や催眠薬ではなくて、かなり特殊な薬を用いたらしいということであった。死に方について用意をきわめるだけの落付いた心構えがあったのである。ねているような顔だった。ふだんと変りなく、虚心で、可愛く見えた。
湯呑みに灰を入れ線香をたてた人があったらしい。
「君たちかい。線香を供えてやったのは」
「そうはコマメにいかないねえ。センチな気分にひたるヒマがなかったほど、労働が苛烈をきわめたんだなア。二三、回向の方々があったらしいや」
青木は腕時計をのぞいて、
「もう十二時すぎてやがら。帰る電車がなくなったわけではないが、ひとつお通夜をしてやるか。完全なるお通夜をね。